ECFMGとして留学することを考えるにあたって、米国での短期留学は欠かせません。
医学部在学中に、モチベーション向上や目標を定めたりするための留学と、Match前になって(多くの場合は日本人医師として)休みを取って行う見学もあります。ものによって、回診などへの参加度は異なりますが、基本的には回診をリードする指導医が日本人など知り合いの場合、および、VSLOや大学独自のMOUなど正規のルートで学部生の高学年で留学した場合に、もっとも参加度は高くなります。
実際に手技・手術・患者診察などに参加するためには、本来は、VSLOなどといったプログラムへの登録と、医学生用の過誤保険などへの加入が必要となります。
第一に、英語力、とりわけリスニング力かと思います。スピーキングはyes, no, I like, I wantといった基礎的な表現のみでコミュニケーションを取ることは可能ですが、相手が言っていることが全く分からなければ得るものが少なくなってしまうかと思います。とりわけ、医学英単語は知らないと聞き取れないため、実習させていただく分野に関してはUSMLEの教材などを通じてある程度覚えておくのが理想かと思います。
第二に、プレゼン力かと思います。アメリカの卒前卒後研修ではプレゼンが非常に重視されています。ハワイ大学内科レジデンシーOBの岸本先生のご著書 (https://00m.in/hnebX) は大変参考になりました。余裕があればUSMLE 2CSの教材を用いて練習されるのもよいかと思います。
偉そうに述べましたが、僕自身英語・プレゼン双方とも非常に苦労しました。学生の頃に参加するとなると日本での臨床実習経験も少なく、相当大変かと思います。それは現地のスタッフも認識してくれるかと思います。英語であれ医学知識であれ、分からないことを分からないといい、仕事の邪魔をしない程度に積極的に質問する姿勢が最も大切かなと感じています。
ご参考になるか分かりませんが、学生の頃に町先生のご支援のもと参加させていただたハワイでの臨床実習報告書(https://www.med.saga-u.ac.jp/inc/content/uploads/2023/03/2022hawaii_report.pdf)、研修医でさせていただいたNYでの実習報告書(https://drive.google.com/file/d/1lRcRDw2gQld3O2ksR0wMvc01s0HjMJKg/view?usp=drive_link)を添付させていただきます。
何か質問等ございましたら遠慮なくご連絡ください (kota.373 (at) outlook.com) 。
2025.2 文責 Kota 南(Review: Kentaro 高垣)
手続きから実習開始までの容易さと確実性:業者を利用すれば、希望する診療科や期間に合わせて実習先を手配してもらえるため、自分で一つ一つ病院に交渉する手間が省けます。希望の州があれば指定することも可能です。Observershipでなくhands-onを選ぶ事もできます。特に既卒の医師にとって、米国の病院は医学部生以外の実習生受け入れを拒む傾向が強いので、個人で研修先を探す選択肢は非常に限られます。お金さえ払えば必要な期間のUSCEを(ほぼ確実に)確保でき、レジデンシープログラム応募要件で求められる「最低○ヶ月のUSCE」を満たすことができます。3ヶ月実習すれば3名の米国医師から推薦状(LoR)を取得できます。推薦状を確約している斡旋プログラムもありますが、推薦状は数が大事なのではなく、『誰からどんな内容』の推薦状をもらうかの方が大事なので追記させて頂きます。資金さえ用意できれば誰でもチャンスを得られる公平性がありますので、「短期間で確実にUSCEを得る手段」として民間業者の利用は有効と言えます。
費用が高額になりやすい:民間業者を利用するUSCEは 1ヶ月あたり20-30万円程度の実習費(仲介料)かかることが多く、期間が長くなるほど大きな出費になります。他国のIMGは 3ヶ月間連続で米国に滞在し同じ業者を利用することが多いですが、日本人は1ヶ月ごとに業者を変えたり、渡航と帰国を繰り返したりする傾向があります。そのため 仲介料や渡航・滞在費が余分にかかり、総コストがさらに増える可能性があります。
業者・プログラムの当たり外れが大きい:USCEを提供する業者は大小さまざまで、プログラムの質にもばらつきがあります。他国のIMGはもともと自国内に渡米希望者が多く、人脈を通じて 「良い」プログラムの情報を共有できるケースが多いですが、日本人の場合、そのようなネットワークが限られているため、信頼できる情報を得にくいのが現状です。情報収集の難しさとリスクがあります。信頼できるプログラムを見極めるためには、SNSや海外のネット掲示板などで情報を集めることも一つの方法ですが、それらの情報が必ずしも正確とは限らないため、最終的には「実際に行ってみないと分からない」というリスクを伴います。少なくとも 「悪評が目立つ業者」や「詐欺まがいのプログラム」 に関する情報はネット上にあるため、日本語だけでなく英語でも事前に調査することが重要です。
2025.2 文責 Toshi 木月(Review: Kentaro 高垣)
補足:アメリカでは、USCEといっても、ピンとこないかもしれません。色々な病院で参加型実習をすること自体がそもそも、アメリカのメディカルスクールの3〜4年のカリキュラムの中心だからです。母校以外の病院で実習をする場合は、今は、VSLOというAAMCのシステムを通すことが多いですが、現時点で日本で参加している大学医学部は4つだけです(HMEPでも今後、VSLOを仲介できないか、検討中です!)。
アメリカの普通のマッチの場合、4年の実習は多くの場合レジデンシーのオーディションの役割すら果たしています。そして勤務(実習?)内容としては、外来でも病棟でも出したいオーダーと行いたい検査などを提案するところまでがsenior clerk(sub-intern / acting intern)の役割なのです。本命のレジデンシープログラムでcompetitiveなところでは、そこでオーディション実習を1ヶ月以上していることがほぼ採用の前提となりますので、VSLOでelectiveをしていない場合は、マッチで出してもほぼ無駄だったりします。
また、制度上の誓約書など色々必要になることはありますが、observershipですと、意外と空きがあれば受け入れてもらえます。それは、教育病院の本務だからです。積極的にアタックしてみてください。そして、オンサービスで当たったアテンディングの方針次第では、結構、臨床に参加させてもらえることもあると聞いています。
2025.3 文責 Review: Kentaro 高垣()
Under Construction
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野口医学研究所『米国臨床留学プログラム』
https://noguchi-net.com/home/program/
申し込み締め切り:
選考会:12月8日(日)