(JrSrのホームページより、抜粋:https://jrsr.or.jp/HMEP)
皆さんは「医師」になりますか?「Doctor**」になりますか?「教育者」になりますか?
皆さんの医学部卒業時点でのゴール(目標)は何でしょうか? (国家試験合格とだけは答えないで下さい、、、)
卒後研修のゴールは何でしょうか?
医学教育と卒後臨床研修が「医師の予後」を決定する、と言っても過言ではないかもしれません。
1977年私は、自分なりに(当時は稀であった)アメリカ留学の夢を持ちつつ医学教育を終了し、希望と不安をもって卒後研修を開始しました(まだ当時は全く研修で有名ではなかった沖縄中部病院)。順天堂医学部での教育と中部病院での4年間の研修が、今の自分の基盤となったことは確かでしょう。特に中部病院ではやたらと忙しく 日々を生き抜くのが精一杯でしたが、毎日楽しくやっていたのを今でも思い出します。その後、夢であったアメリカでの外科臨床研修も終了できました。
日本とアメリカで教育を受け研修をした経験から言えることは、特に研修医時代はいろいろ苦しいこともありますが、この時期の患者ケアを通しての勉強は、一学年毎に楽しく、学習を肌で感じ、興味が増し、あとで振り返ると一生忘れられない、医師としても最高の時期のひとつであったということです。研修医時代に学んだこと、経験したこと(特に失敗・苦労・難題など)は一生身につくものです。そして、研修をどう過すか医師としての人生にどう活かすかの白黒は、医学生の時に始まっています。医学生時代・研修医時代をどう過ごすか、それは皆さん次第です。
医学生時代からそして研修医時代には、忙しさ辛さに流されず、常に患者さんへの思い、臨床現場での問題意識をもち、Passiveに教わるのではなくActive Learnerに成長して下さい。コツは、病歴・身体所見、問題解決、臨床推理、自ら学ぶこと、さらには後輩を教えること、これらをEnjoyすることです。楽しければActiveになり、楽しければ継続します。そしてこれは、医師として一生続けるべきことです。
さらに、大学・医学部が皆さん学生さんに何かしてくれるのを待っているのではなく、また研修医になってからは研修病院・指導医が何かしてくれるのを待っているのではなく、皆さんが医学部に・研修プログラムに何ができるか、医学教育・研修改善にどう貢献できるかを、常に意識して実践して下さい。
ACGMEの6‐Competencies(医師の6つの能力)の修得を学生レベル・研修医レベルで学習のゴールと定め、一人前の医師になっても一生この能力を維持できるActive Learner でいて下さい。更に、後輩を教育する情熱と患者・家族への思いやりなどのヒューマニズムを培って下さい:
Active Learner → Passionate Teacher → Compassionate Physician
へ成長されることを願います。
Active learner であって欲しい、他のために尽して欲しい、高い夢を持って欲しい、という思いを込めて、以下の言葉を医学生・研修医の皆さんに贈ります。
Your prognosis as a physician is largely determined by what and how you have learned as a medical student and during initial residency training.
Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow. The important thing is to keep moving forward.
My fellow Students and Residents: ask not what your teachers, schools or programs can do for you, but ask what you can do for your patients and education / training.
Live as if you won’t wake up tomorrow. Dream as if you will live forever. The future belongs to those who believe in the beauty of their dreams.
Active Learner – Passionate Teacher – Caring Physician – Great Dreamer 目指してEnjoy and Good Luck!!!
町淳二 Junji Machi
ハワイ大学医学部・外科・国際医療医学オフィス
JrSr創立者